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親知らずの歴史2022年03月11日

江戸時代、人間の推定平均年齢は40歳前後と短く、20歳前後で生えてくる第3大臼歯が『親知らず』と呼ばれるようになった、という話があります。

親知らずの歴史をさかのぼると、今から1億5千万年以上前、哺乳類の祖先にたどり着きます。この頃から上下の奥歯は凸凹になっていて、今の奥歯の元となるすりつぶし機能を持っていたことも分かっています。

20歳前後で生えることの多い親知らずですが、現代では、親知らずのない人や、あっても生えてこない人もいます。特に下あごの親知らずは、あごの骨に水平方向に完全に埋まっていて生えてこない、または、傾いて一部だけ生えている、といったケースがよく見られます。

縄文時代では、骨の中に埋まっていたり、傾いていることはほとんどなく、まっすぐに生えていました。その後、1940年代まで埋まったり、傾いているケースが徐々に増え、全体の20%ほどでしたが、1970年代になると、こういったケースが過半数以上にまで急増しています。

このようになった原因として、戦後、高度経済成長期以降の食生活の変化が挙げられます。高カロリー・高栄養で柔らかい食品が増えたことにより、あまり咬まなくなると、あごの骨が十分に成長しないため、奥歯の生えるスペースが十分に確保できなくなってしまったため、水平に骨に埋まったままや傾いた親知らずが増えたと考えられます。このような親知らずは周辺にプラークがたまり、虫歯・歯周病になるだけでなく、手前の第2大臼歯まで傷めてしまう可能性もあるため抜歯が必要になることがあります。親知らずが気になっている方は早めに歯科医院で状態を確認してもらい、必要な対応をとってもらうとことをお勧めします。

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