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妊婦さんのお口について。2020年08月17日

妊婦さんのお口の環境へ与える変化として大きなものに『つわり』があります。個人差はあるものの人によっては歯ブラシができなかったり、食事が一度に取りきれずに何度かに分ける必要のある方も見えます。そうなるとお口の中の環境は悪くなり、虫歯や歯ぐきの炎症の原因となってしまいます。また、歯周病菌の中には、女性ホルモン(エストロゲン)が好きな細菌いて、妊娠中は女性ホルモン値が高くなりますから、この菌により歯ぐきの炎症を起こしやすくもなります。妊娠中に歯磨きができなかったり、歯ぐきが赤く腫れるなどの症状が出たら、可能であれば歯科医院を受診してください。また、つわりが落ち着いた中期ごろに、一度、歯科検診を受けておくといいと思います。市によっては妊産婦への検診を実施している所も多いので活用してみましょう。
産後は育児で手が離せず、いっそう歯医者さんへ行く時間がなくなりがちです。妊娠中に歯のケアを済ませておくといいですね。
歯茎の炎症も初期であれば、歯のクリーニングだけでもかなり効果があります。

次にお腹の赤ちゃんへの影響ですが、お母さんの飲んだお薬の赤ちゃんへの影響は時期によって以下のように分けられます。

妊娠4週未満・・・この時期には妊婦さんが薬を飲んでも胎児の器官などの形成は行わ れていませんので 影 響はほとんど受けません。 また、 妊 娠に気付か ず 薬 を 服 用 して い た 場 合 も 妊 娠 前 や 妊 娠 4週 未 満 で あ れ ば ほ と ん ど 影響はありません。

妊娠4週から7週まで・・・胎児の体の原器が作られる器官形成期であり,奇形を起こすかどうかという意味では最も過敏性が高い「絶対過敏期」です。この時期には本人も妊娠していることに気づいていないことも多いです。

妊娠8週から15週まで・・・胎児の重要な器管の形成は終わり,奇形を起こすという意味での過敏期を過ぎてその感受性が低下する時期です。一部では分化などが続いているため,奇形を起こす心配がなくなるわけではありません。

妊娠16週から分娩まで・・・こ の 時 期 か ら は 、 妊 娠 安 定 期 に 入り、 胎 児 の 器 官 形 成 が お わ る た め 薬の影響はほとんど受けなくなります。しかし、多くの薬剤は胎盤を 通 じ て 胎 児 へ 移 行 す る た め 、 薬 剤 の 過 剰 な 服 用 な ど に より 成 長 を 妨 げてしまう恐れがあります。少し注意しましょう。

授乳期・・・多くの薬剤が母乳中に移行する。

上記のように影響があるのは妊娠4週から安定期までの期間になります。ただ、その期間であっても安全性の高い抗生物質や鎮痛剤はありますので、飲まずに無理をしてお母さんの体にストレスがかかるようではお腹の子にも良くないので、病院で必要と判断されたのであれば飲むようにしましょう。また、授乳期間中に関しては、抗生物質は、母乳中に移行しますがその量はごくわずかで、乳児の血中にはほとんど認められない量です。鎮痛剤についても影響の少ないものを選び、症状に応じてかかりつけの歯医者さんと相談しながら処方してもらいましょう。

レントゲン撮影

デジタルレントゲン装置は以前のレントゲン装置よりも撮影時の被曝量は少なく、さらに防護用エプロンを使用しますのでお腹の赤ちゃんやお母さんの体には影響ありません。

局所麻酔

妊娠中の歯科治療における麻酔の使用については通常の麻酔量であれば、お腹の中の赤ちゃんに対して心配はありません。ただ妊娠8ヶ月以降は早産の可能性があるので相談して下さい。

妊婦さんにとってはお腹の赤ちゃんのことを思うと治療は後回しに、と考える方もいるかもしれませんが、痛みを我慢しながら生活していくより、痛みを早く取り去って快適な日常生活を送っていただくことのほうが母体や赤ちゃんにとっては大切だと思います、気になることがあれば早めに受診して先生に相談しましょう。

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